恋愛は何色?
19世紀イギリスのロマン派詩人シェリーは「恋愛の真の本質は自由である」と語りました。「恋愛=自由」それは時に身勝手で一方的、盲目的であり、自己愛の延長に他ならない。だからこそ、何色にも染まらない「黒」なのです。
恋愛は、時にその自己愛的感情を超越し、自己犠牲を含む「愛」に発展する可能性を秘めています。人類最古の叙事詩と言われるギルガメッシュ叙事詩にもすでに記述が見られ、日本で平安時代に生まれた世界最古の小説である源氏物語はもちろん、世界のあらゆる文学作品に登場すると同時に、現代美術作品においても数多くの作家が恋愛をテーマに、また恋愛からインスピレーションを得た作品を創作してきました。
今回の展示ではこのような恋愛の要素を中心に据え、「昔の場所や物事に思いをはせること」という広義の「恋」からも着想を得ながら、恋愛にまつわる作品の展示はもちろん、恋愛を彷彿とさせる作品を主観的に展示しています。
本展が、みなさまに今一度トキメキを体験して頂くきっかけとなれば幸いです。(展覧会チラシより)