荒川 修作 (1936-2010)

1936年愛知県生まれ。1961年渡米、翌年より公私にわたるパートナーのマドリン・ギンズと共にニューヨークを拠点に活動を始める。

60年代より、ドイツ、フランス、イギリス、日本など世 界中で個展を開催し、70年ヴェネツィア・ビエンナーレでは日本代表として代表作「意味のメカニズム」を発表する。この作品を見たノーベル物理学者のヴェ ルナー・ハイゼンベルグが賞賛し、マドリン・ギンズと共にドイツのマックス・プランク研究所に招待をうける。97年にはグッゲンハイム美術館にて日本人と して初めて回顧展が開催された。

近年は身体を中心とした建築作品を手がけており、94年「遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体」(岡山県 奈義町現代美術館)、95年「養老天命反転地」(岐阜県養老町)、2005年「三鷹天命反転住宅~In Memory of Helen Keller~」(東京三鷹市)、2008年「バイオスクリーブ・ハウス」(ニューヨーク、イースト・ハンプトン)などがある。

2人の活動は建築・芸術分野のみならず、生命科学、物理学、哲学、医学などの学術者との交流も深い。2005年、2008年、2010年には学者・研究者を中心に荒川修作+マドリン・ギンズをめぐる国際会議が開催されている。近著に『建築する身体~人間を越えていくために~』、 『死ぬのは法律違反です』など。

※コーデノロジスト:芸術、哲学、科学の総合に向かい、その実践を推し進める創造家の意。

略年譜

1936年
7月6日名古屋市に生まれる。

1956年
武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)に入学、(中退)。

1957年
第9回読売アンデパンダン展(東京都美術館)に初出品(以降、第13回展まで出品)。

1959年
第11回読売アンデパンダン展に「図式絵画」の先駆的な作品を出品。

1960年
吉村益信、篠原有司男らとネオ・ダダイズム・オルガナイザーを結成
第12回読売アンデパンダン展に《人間「砂の器」》シリーズを出品
第1回ネオ・ダダ展(銀座画廊)に出品
第2回ネオ・ダダ展(吉村益信アトリエ)に初めて砂の器ほか「棺桶」シリーズを出品
第3回ネオ・ダダ展(日比谷画廊)に出品
最初の個展「もうひとつの墓場」(村松画廊)を開催。この個展が原因でネオ・ダダを離脱

1961年
第2回個展(夢土画廊)を開催。江原順・企画、江原順と瀧口修造・寄稿。
「現代美術の実験」展(東京国立近代美術館)
12月、渡米。以来、ニューヨークに在住。マルセル・デュシャンと交友。

1962年
マドリン・ギンズと出会い、共同作業を開始

1963年
ギンズとの共同研究プロジェクト《意味のメカニズム》に着手

1966年
第7回現代日本美術展(東京都美術館)に《ダイアグラム・オブ・ミーティング》を出品、大原美術館賞を受賞

1967年
第9回日本国際美術展(東京都美術館)に《アルファベット・スキンNo.3》を出品、東京国立近代美術館賞を受賞

1968年
第8回現代日本美術展(東京都美術館)に《作品-窓辺にて》を出品、最優秀賞を受賞
ドクメンタⅣ(カッセル)に出品

1970年
第35回ヴェネツィア・ビエンナーレ展(コミッショナ-:東野芳明)の日本館に《意味のメカニズム》シリーズを発表

1972年
「意味のメカニズム」展(ベルリン市立美術館など)を開催巡回
物理学者ハイゼンベルグや生化学者らと交友

1975年
第7回国際絵画フェスティバル(カーニュ・シュル・メール)で大賞を受賞

1977年
ドクメンタⅥ(カッセル)に出品
大規模な巡回個展(デュッセルドルフ市立美術館など)を開催

1979年
ヨーロッパ巡回個展(ベルリン、アムステルダムなど)が継続
「現代美術の最先端-荒川修作」(西武美術館)
「意味のメカニズム」展(国立国際美術館)を開催
個展開催を機に18年振りに帰国。美術評論家、瀧口修造の臨終に立ち会う
『The Mechanism of Meaning(意味のメカニズム)』(第2版、英語版)、『意味のメカニズム』(第2版、日本語版 ギャラリーたかぎ)

1981年
ミュンヘンのレンバッハハウス市立美術館などで個展を開催

1986年
「前衛芸術の日本 1910-1970」展(ポンピドゥ・センター)に出品
フランス政府よりシュヴァリエ・デザール・エ・レットル勲章を受章

1988年
「荒川修作-意味のメカニズム」(西武美術館、セゾン現代美術館)を開催
『意味のメカニズム』再版(リブロポート)出版
ベルギー批評家賞を受賞

1990年
「荒川修作展-宮川淳へ」(東高現代美術館)を開催絵画作品と傾斜台による「体験装置」としての作品を発表

1991年
「荒川修作の実験展-見るものが作られる場」(東京国立近代美術館ほか巡回)を開催

1994年
デュッセルドルフのノルトライン=ヴェストハーレン州立美術館に荒川修作の常設展示室が開設
岡山県の奈義町現代美術館に《遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体》を完成

1995年
岐阜県養老町に《養老天命反転地》を完成
第28回日本芸術大賞を受賞

1997年
「宿命反転-死なないために」展(グッゲンハイム美術館ソーホー)を開催

1998年
東京都レインボータウン臨海副都心まちづくりコンペティション特別賞を受賞
「新しい日本の風景を建築し、常識を変え、日常の生活空間を創りだすために」展(NTTインターコミュニケーションセンター)

2002年
ギンズとの共著『Architectural Body(建築する身体)』を刊行

2003年
第10回日本現代藝術振興賞
紫綬褒章を受章

2004年
『建築する身体』日本語版初版(春秋社)を刊行

2005年
愛知県名古屋市に《志段味循環型モデル住宅》を完成
《三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller》(東京都三鷹市)を完成

2007年
ギンズとの共著『死ぬのは法律違反です』刊行

2008年
紺綬褒章受賞
「荒川修作 60年代立体作品展:1961年夢土画廊個展出品作」(ギャラリー・アートアンリミテッド)
荒川修作+マドリン・ギンズをめぐる第2回国際会議
『三鷹天命反転住宅 ヘレン・ケラーのために』(水声社)刊行
《バイオスクリーブ・ハウス》を完成(ニューヨーク、イーストハンプトン)

2009年
「The Third Mind: American Artists Contemplate Asia 1860-1989」(グッゲンハイム美術館・ニューヨーク)

2010年
荒川修作+マドリン・ギンズをめぐる第3回国際会議
「死なないための葬送…荒川修作初期作品展」(国立国際美術館)
「荒川修作+マドリン・ギンズ:天命反転プロジェクト」展(京都工芸繊維大学 美術工芸資料館)
5月19日ニューヨークの病院にて逝去
旭日小綬章受章
映画「死なない子供、荒川修作」(監督:山岡信貴、製作:荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所)完成

 

Public Collections

|国 内 | Domestic

愛知県美術館

青森県立美術館

板橋区立美術館

いわき市美術館

大原美術館

DIC 川村記念美術館

北九州市立美術館

岐阜県美術館

岐阜現代美術館

京都国立近代美術館

高知県立美術館

国立国際美術館

埼玉県立近代美術館

滋賀県立近代美術館

セゾン現代美術館

草月美術館

高松市美術館

千葉市美術館

東京国立近代美術館

東京都現代美術館

徳島県立近代美術館

栃木県立美術館

富山県立近代美術館

豊橋市美術博物館

名古屋市美術館

新潟市美術館

原美術館

広島市現代美術館

兵庫県立近代美術館

福岡市美術館

ふくやま美術館

北海道立函館美術館

町田市立国際版画美術館

宮城県美術館

目黒区美術館

横浜美術館

和歌山県立近代美術館

 

| 海 外 | Overseas

Museum of Modern Art, New York

The University of Arizona Museum of Art

National Gallery of Art, Washington, DC

Smithsonian American Art Museum

Walker Art Center, Minneapolis, MN

The University of Michigan Museum of Art

The Cleveland Museum of Art

Columbia Museum of Art

Museum Abteiberg, Monchengladbach

Stadtische Galerie im Lenbachhaus & Kunstbau, Munich

Tehran Museum of Contemporary Art, Tehran

Irish Museum of Modern Art – IMMA, Dublin

MUSEION, Bozen

Schaulager, Munchenstein / Basel

Tate Gallery, London

Mildred Lane Kemper Art Museum, Saint Louis

The National Gallery of Australia, Canberra, Australia

The Queensland Art Gallery

Lenbachhaus, Munchen

Kunsthalle – Dusseldorf

Daimler Chrysler Collection

Yvon Lambert

American Academy and Institute of Arts & Letters, New York, NY

Centre Georges Pompidou, Paris, France

Cincinnati Art Museum, Cincinnati, OH

Des Moines Art Center, Des Moines, IA

Hopkins Center, Dartmouth College, Hanover, NH

Kunstmuseum, Basel, Switzerland

Metropolitan Museum of Art, New York, NY

Musee d’Art Moderne, Paris, France

National Gallery, Berlin, Germany

The Nelson-Atkins Museum of Art, Kansas City, MO

Power Gallery of Contemporary Art, Sydney, Australia

San Francisco Museum of Modern Art, CA

Solomon R. Guggenheim Museum, New York, NY

Stedelijk Museum, Amsterdam, Netherlands

Steinberg Gallery, Washington University, St. Louis, MO

University of Wisconsin, Milwaukee, WI

Van Abbemuseum, Eindhoven, Netherlands