田畑あきら子展

2025-11-22〜2026-01-12
新潟県立万代島美術館

出品作品: 《肖像No.1》1961-62、《言葉のような線》1963、《セパレット・コンティニュアムス》1965-66

 新潟県西蒲原郡巻町(現・新潟市西蒲区巻)出身の画家、詩人である田畑あきら子(1940-1969)。

田畑が亡くなる前年、唯一開かれた個展の前後に集中して描かれた油彩画は、有機的な線と形態、文字や記号が描かれた画面に、白い絵の具が塗り重ねられ、独特の浮遊感をたたえます。わずか十点に満たない一連の油彩画が田畑の代表作とされる一方、これらとともに、田畑の作品世界を豊かに伝えるのが、200点を超える素描群です。素描からは、田畑が「オボロ線」と呼ぶにいたる、次第に繊細さを増していく線描の変遷がみてとれ、彼女の思素の痕跡を辿ることができます。

本展では、彼女の作品を一堂に会し、田畑が描きとめた儚いイメージの世界を探求すると同時に、夭折ゆえに特に問題となる没後の受容史を検証します。さらに、田畑が私淑した荒川修作やアーシル・ゴーキーらの作品も併せて展示し、当時の美術を振り返ることで、この作家を「夭折の画家」という文脈から切り離し、同時代美術の中に位置づけようとするものです。

(展覧会チラシより)