[コレクション展] 2016-I あふれる「せい」― 生、勢、盛、精

2016-02-28〜2016-06-05
広島市現代美術館

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なぜか気になる作品、描かれているものは判然としないが心惹かれる作品との出会い。そして、作品に呼び止められるような芸術体験は誰しも持っているのではないでしょうか。

本展では、目には見えなくとも作品に宿り観る者に訴えかける「なにか」を「せい(生、勢、盛、精)」というキーワードで考察します。
「生」という漢字には、「いきること、つくり出すこと」という意味がありますが、よろこび、怒り、苦しみ、楽しみなど、限りがあるからこそ力強く輝く生命の力、人が生きていく上で不可欠な根源的なエネルギーが表された作品を紹介します。「いきおい」があることをさす「勢」では、動的な構図、自由な色彩、ときに激しい身振りを伴うことで体現される躍動的な表現を概観します。「盛」は「もりたてること、さかんな様子」を表します。デコラティブで過剰、華美な印象の作品や、大衆的な消費社会において流布し、消費され使い捨てられる世俗的なイメージを使用したポップ・アート、またポップ・アートに影響を受けた作品などを紹介します。「たましい、不思議な力をもつもの」を意味する「精」では、自身が受けた啓示をひとつの拠り所とし、心の声に従うことで生み出された作品を取り上げます。

抽象的な表現は、具象的な表現よりも解釈が難しいと思われがちですが、目には見えない概念や力の作用、気の動きなどをアーティストたちがどのようにして視覚化してきたかを知る機会とし、各作品からあふれるさまざまな「せい」を存分に受け止める場となれば幸いです。

出品作家

荒川修作、荒木経惟、カレル・アペル、宇佐美圭司、大木裕之、草間彌生、工藤哲巳、篠原有司男、ジュリアン・シュナーベル、白髪一雄、杉全直、ウィレム・デ・クーニング、戸谷成雄、松澤宥、ロバート・ラウシェンバーグ ほか

(美術館ホームページより)