コレクション展Ⅲ 特集 版画芸術への誘い

2015-02-21〜2015-06-28
北九州市立美術館

出品作品: 荒川修作《ボトムレス》1965年…後期(4/29-6/28)に展示予定

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「版画」とは何か

版画とは、「版」をもとにして、紙や布など何か別の素材に、図像や文字を写す技法です。「版」の歴史は古く、先史時代に人類の祖先が洞窟の壁に手形を残したころまで遡ります。その最大の特徴は同質の画面を複数再現できる点で、印刷技術の発達にともない書籍やポスター、新聞、紙幣などにまで利用されてきました。複製技術による実用性のおかげで、わたしたちにとって版画は馴染み深いメディアとして知られています。一方で、「版」の種類はじつに多く、版面や材質によって分類と呼び名が異なります。版面の状態では、大きく凸版、凹版、平版、孔版に分けられます。一般的に知られている木版画、銅版画、石版画、シルクスクリーンは、版材から分類された技法の種類です。とくに19世紀以降の版画は、芸術表現の手段として用いられるようになります。高度な技術と複雑な工程を要することから、その版画技法自体が作家独自の表現手段になり得るという解釈まで生まれました。

本展では、当館が所蔵する約4,500点の版画から国内作家の作品に焦点を当て、版画技法の魅力に迫ります。あわせて、ジョルジュ・ルオー《道化師》、クロード・モネ《睡蓮、柳の反影》など、当館の名品もご覧ください。

(美術館ホームページより)