エッケ・ホモ 現代の人間像を見よ

2016-01-16〜2016-03-21
国立国際美術館

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エッケ・ホモ。「この人を見よ」という意味のラテン語です。新約聖書の一場面、苦しむイエス・キリストの受難をあらわす主題として、エッケ・ホモはこれまで、数多くの美術作品において取り上げられてきました。

人間を描き、そこに宗教的ないし倫理的な教訓を込めて、人間のあるべき姿を示すこと。それは、エッケ・ホモに限らず、洋の東西、古今の別なく共有される、美術の主要課題であるといえるでしょう。ただし、二度の世界大戦を経た現在、人間の描写と教訓的なメッセージとが一直線に結ばれることは、ほとんどありません。

本展覧会は、当館所蔵作品を中心とした100点あまりの作品によって、第二次世界大戦以後の人間描写の展開を振り返ります。ときに死体や犯罪を、ときに裂ける皮膚や内臓を、ときに輪郭の定まらない亡霊を描きだす現代の人間像に対し、安易な感情移入を求めることは困難です。なんらかの教訓を受けとる手前で立ち止まり、ただ目の前のイメージをじっと見据えることから、人間存在の問い直しは始まります。現代の人間像を、見よ。(美術館ホームページより)