横浜美術館コレクション展 2015年度 第2期 – 戦後70周年記念特別展示 戦争と美術 –

2015-07-11〜2015-10-18
横浜美術館

出品作品: 《作品》1958-59

戦後70年記念特別展示 戦争と美術
岡倉天心と日本美術院の作家たち
ポール・ジャクレーと新版画

会期中に戦後70年の終戦記念日を迎える横浜美術館コレクション展2015年度第2期では、戦争と美術について考えます。

第 一次・第二次大戦間のヨーロッパでは、不安定な社会情勢を背景にして、アヴァンギャルド芸術運動が花開きました。大正期に新興美術運動が興隆した日本で も、昭和に入るとシュルレアリスムをはじめとする新しい表現に触発された画家たちによって、独自の前衛主義が形作られていきます。しかし、それら日本の前 衛芸術運動はやがて国家からの弾圧の対象となり、戦争の勃発に伴う翼賛体制下、途絶しました。終戦からしばらくして、社会の復興活動とともに創作を再開す る画家たち。記憶に刻まれた生々しい戦争の傷跡、ゼロから再起して新しい表現を模索しようとする決意・・・。芸術家たちは、戦争という重い経験をいやおう なしに背負い、直接的にせよ間接的にせよ、その影響を作品に投影し続けてきたと言っていいでしょう。 この特別展示では、当館が所蔵する20世紀美術を通して、戦争の前後を生きたさまざまな分野の美術家たちの創作を紹介するとともに、ヨーロッパ、そしてと りわけ日本における美術と戦争との関わりについて、写真や雑誌・書籍等の資料を交えて振り返ります。

一方、 本展と同時期に企画展「蔡國強展:帰去来」が開催されますが、出品作家の蔡國強(ツァイ・グオチャン)が深い関心を寄せている近代日本画、なかでも当館の コレクションの特徴となっている、岡倉天心に師事した日本画家、横山大観、下村観山、今村紫紅(いまむら・しこう)、安田靫彦(やすだ・ゆきひこ)などの 作品を中心にご覧いただきます。

また、パリ生まれの「浮世絵師」ポール・ジャクレー(1896-1960) をご紹介します。衰退していた浮世絵の復興と近代化を目指した「新版画」の運動において、特異な位置を占めるジャクレー作品188点のコレクションから代 表的作品と、橋口五葉(はしぐち・ごよう)や伊東深水(いとう・しんすい)ら「新版画」の作品を展示します。(美術館ホームページより)