三鷹天命反転中!!──荒川修作+マドリン・ギンズの死なないためのエクササイズ

2025-03-22〜2025-05-18
三鷹市美術ギャラリー

三鷹市を東西に走る通称・東八道路。多くの車が利用するこの道路沿いに、ひときわ目を惹くカラフルな建物があります。鮮やかな14色の円柱形や立方体で構成されたこの建築物は、ニューヨークを拠点に活動した荒川修作+マドリン・ギンズが企画、デザインした《三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller》です。2005年に完成して今年で20年目を迎えるこの集合住宅は、現在では三鷹のランドマークの一つとして定着し住居やオフィスとして利用されています。

名古屋で生まれた荒川修作(1936-2010)は、1957年「第9回読売アンデパンダン」へ初出品しアーティストとしての経歴をスタートさせました。ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ設立にも参加しますが早期に脱退し、1961年以降は活動の場をニューヨークに移します。ダダの巨匠マルセル・デュシャンとの交流を経て、図式絵画(ダイアグラム)を制作。さらに当地で出会ったマドリン・ギンズ(1941-2014)と共に、1963年から「意味のメカニズム」という知覚に関する思考実験を行い、世界的な評価を確立します。荒川は、幼少期から人間の死に対する強い恐れと生命への関心を抱き、生涯を通してこのテーマに向き合いました。天命(宿命)に従う生き方から脱し、与えられた世界から自由になることを目指して、カンヴァスからインスタレーション、建築へと活動の場を拡大していきます。後年には自らを「コーデノロジスト(Coordinologist)」と称し、芸術・哲学・科学の総合と、その実践を目指すものとして、天命反転都市という社会実験の実現にむけて活動しました。

本展では、《三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller》にいたるまでの、荒川+ギンズの活動の軌跡を振り返るとともに、なぜ、どのようにして三鷹の地にこの住宅が誕生したのか──を紐解いていきます。荒川+ギンズが挑んだ数々のプロジェクトは、彼等が没した後も、私たちに新たな世界への視点を示してくれるのではないでしょうか。

(美術館ホームページより)

展覧会概要

三鷹天命反転中!!──荒川修作+マドリン・ギンズの死なないためのエクササイズ
Reversible Destiny NOW: Arakawa and Madeline Gins’ Exercises for Not Dying

日 時
2025年 3月22日(土)~5月18日(日)

休館日
月曜日(5月5日は開館)、4月10日(木)、5月7日(水)

会 場
三鷹市美術ギャラリー
〒181-0013  東京都三鷹市下連雀3-35-1 CORALコラル5階
アクセスはこちら

観覧料
一般1,000円 / 65歳以上・学生(大・高)500円 / 中学生以下無料
※障害者手帳等をお持ちの方と付添の方1名は無料
※三鷹天命反転住宅見学会チケットをお持ちの方は本展観覧料(一般)2割引

主 催
三鷹市、公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団

協 力
荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所(株式会社コーデノロジスト)
Reversible Destiny Foundation
関西大学環境都市工学部建築学科都市設計研究室

協 賛
関西大学荒川+ギンズモックアップ研究会

関連トークイベント

鼎 談
「三鷹天命反転住宅ができるまでとその後」

2025年 4月6日(日) 午後2時~3時半
会場 三鷹ネットワーク大学(展覧会会場とは異なります)
登壇者
佐野吉彦(建築家 / 株式会社安井建築設計事務所 代表取締役社長 CEO)
     辻真悟(建築家 / 株式会社CHIASMA FACTORY代表取締役)
     本間桃世(荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所、Reversible Destiny Foundation ディレクター)

講演会
「荒川修作のロードマップ:ネオ・ダダ→「意味のメカニズム」→三鷹天命反転住宅」

2025年 4月12日(土) 午後2時~3時半
会場 三鷹ネットワーク大学(展覧会会場とは異なります)
講師 塚原史(早稲田大学名誉教授)

参加費
両イベントともに無料 各回定員50名

参加方法
三鷹市美術ギャラリー電話予約
0422-79-0033(先着順)

共催
三鷹ネットワーク大学