国立国際美術館は、昨年度アメリカのコンセプチュアル・アートを代表するアメリカ人作家メル・ボックナーの重要作品の一つ《セオリー・オブ・スカルプチャー(カウンティング)&プライマー》を収集しました。この新たな収蔵作品に当館コレクションから日本人作家—荒川修作、河原温、高松次郎等の作品を加え、コンセプチュアル・アートについて考えてみたいと思います。
メル・ボックナー(1940- )は、その60年近くにわたるキャリアの中で、コンセプチュアル・アートの中心的存在として、彫刻、インスタレーション、絵画、ドローイング、写真など様々な媒体を用いて作品を制作してきました。今回当館が新たに収蔵した作品は、とりわけ「彫刻」の根底にある基礎的な概念に対する作家の探究心の全てが表現されており、またドローイング作品においては、ドローイングの厳格な定義に挑戦しながらドローイングとは何かを常に問いかけるボックナーの特筆すべき一点と評されています。
あわせて当館の収蔵作品から、荒川修作、河原温、高松次郎等の同時代に活躍した日本人作家による作品も紹介いたします。