意味の彼方へ──荒川修作に寄り添って

著者:馬場 駿吉

発売日:2016年12月25日
サイズ:四六判、154(内図版16)ページ
出版社:書肆山田
価 格:2,160円 (本体2,000円)
ISBN-13: 978-4879959508
言語:日本語

 

渡米前の個展から建築作品まで、荒川修作の制作の現場にその都度立会い、また対話を重ねてきた馬場駿吉氏が“可能な限り伴走した体験”(本書「あとがき」より)を紡いだ珠玉のエッセイ集がついに刊行!

本書に収録されている荒川修作から著者に宛てた私信からは、著者と共有する母郷・名古屋の母を想う作家の素顔も垣間見え、その私的であり公的でもある貴重な荒川修作批評はファンのみならず必読の書である。

沈思の底から、

うねり立ち昇り暴発する

荒川修作の作品・

天命反転コーディノロジーの

出現に立ち会う。

(帯文より)

著者略歴

馬場 駿吉(ばば・しゅんきち)

一九三二年、名古屋市生れ。俳人。現代美術評論家。芸術批評誌「REAR」編集同人。名古屋市立大学名誉教授(耳鼻咽喉科学)。日本耳鼻咽喉科学会名誉会員。
現在、名古屋ボストン美術館館長。愛知県立芸術大学客員教授。
著書に『液晶の虹彩』(一九八四年、書肆山田)、『星形の言葉を求めて』(二〇一〇、風媒社)、句集『耳海岸』(二〇〇六、書肆山田)などがある。

目次

非網膜的絵画への突進──荒川修作展に寄せて
(1977年3月)
共同体的存在思考の世界──荒川修作の画業
(1979年7月)
現代のスフィンクス・荒川修作──その問いかけの絵画的宇宙(1980年3月)
荒川修作の作品ほか
荒川修作・新作版画展(1980年冬)
空白の創造性(1982年2月)
実験する美術──荒川修作の世界(1992年7月)
ユニヴァーサル・パークとしての『養老天命反転地』(1996年8月)
対談「精神の場から身体の場へ──戦後アメリカ美術の超克のために」(2001年1月)
荒川修作の建築的な仕事をめぐって(2005年5月)
天命反転住宅徘徊記(2005年11月)
天命反転を暗示する箱──荒川修作初期立体作品再見(2008年2月)
荒川修作からの通信
天命反転の永遠に佇む荒川修作を悼む(2010年5月)
「天命反転」の継続性──それでも荒川修作は死んでいない(2010年8月)
映画『死なない子供、荒川修作』(2011年1月)
荒川修作三回忌 田中泯「場踊り」(2012年6月)

あとがき
初出記録
収載図版について