-企画趣旨-
この秋、荒川修作とマドリン・ギンズのめざす宿命反転都市の端緒として「三鷹天命反転住宅 In Memory Of Helen Keller」が竣工する。それは、「養老天命反転地」が10年を経ても、来館者が増え、若者たちが、ネット上で話題にするのは何故か?二人の試みが、未来への希望を失った現代社会に、なんらかの光を感じさせるからではないだろうか。「宿命反転都市」の構想は、身体の可能性に人類の未来を賭けた社会への提言である。今秋、パリ第10大学でもアラカワ+ギンズを巡る一大会議が開催される。世界で唯一完成した、アラカワ住宅である三鷹の実例を基に、終わり無き書物のごとく壮大かつ総合的なその思想を紐解き、徹底的に検証する。各回、さまざまな分野からナビゲーターとスペシャルゲストをお招きし、その思想の謎に迫る。各回とも荒川修作が立会い、質問に応答する。
■11月7日(月)
第一夜 「身体に効く、心に聞く」
ナビゲーター 河本英夫 (東洋大学教授、科学システム論) + ゲスト 香山リカ (精神科医)
アラカワ+ギンズの『建築する身体』の翻訳者であり、オートポイエーシス論の第一人者である河本英夫氏と精神科医で現代の若者の心理に通じる香山リカ氏をゲストに招き、アラカワの住宅の身体と心に及ぼす可能性を問う。
■11月8日(火)
第二夜 「意味のメカニズムから天命反転住宅へ」
ナビゲーター 馬場駿吉 (医師、美術評論家) + ゲスト 佐藤雅彦 (慶應義塾大学教授)
アラカワが芸術を超え、建築へ向かったのは、なぜか?医師であり、美術評論家である馬場駿吉氏と広告、経済、イメージなど多面的な視点で世の不思議を解き明かす佐藤雅彦氏をゲストにアラカワの謎に迫る。
■11月9日(水)
第三夜 「荒川修作の三鷹天命反転住宅を検証する」
ナビゲーター 丸山洋志 (建築家、芝浦工業大学特任教授) + ゲスト 佐野吉彦 (建築家、安井建築設計事務所取締役社長)
設計担当会社の佐野吉彦氏をゲストに、アラカワを見続けてきた建築家・丸山洋志氏による解説で、住宅建築のあらゆる常識を覆す「三鷹天命反転住宅」を建築の現場から徹底解剖。
■11月10日(木)
第四夜 総合シンポジウム「現代思想としての荒川修作」
ナビゲーター 塚原史 (早稲田大学教授) + ゲスト 高橋順一 (早稲田大学教授 思想史)
最終日は総括シンポジウムとして現代思想におけるアラカワの意味を問う。ナビゲーターは近年、アラカワと対論を重ねる二人の早稲田大学教授、塚原史氏(ダダ・シュルレアリズム論、20世紀文化史)と高橋順一氏(ドイツ思想史)
会 場:東京ウィメンズプラザホール (最寄駅:表参道)
開 場:18:15
開 演:18:30-20:50
入場料:各日とも 2,500 / 四日連続券 10,000
主 催:株式会社 ABRF、有限会社 アートアンリミテッド
後 援:株式会社 水声社、日経アーキテクチュア
協 力:株式会社 安井建築設計事務所、株式会社 竹中工務店