「絵画の森」 戦後日本美術の作家たち

2008-12-12〜2009-02-01
DIC 川村記念美術館

川村記念美術館では2008年3月のリニューアルオープンにともない、美術館を周囲の環境も含めたひとつの森に見立てて「絵画の森」と題し、夏季と冬季にそれぞれ約120点の所蔵作品を展示しています。冬季はコレクションのなかでも今までまとめて展示される機会の少なかった戦後日本美術の作品を中心にご紹介いたします。

戦後、日本で活動した美術家たちは、海外の美術動向と並行しながらも独自の表現を追及してきました。それは慣習化し精彩を失った従来の芸術観をくつがえし、そこからあらためて芸術とは何か、さらには人間とは何かといった問題を考えていく行為でもありました。

今回は、新たな表現を牽引した瀧口修造(1903-1979)、斎藤義重(1904-2001)らの作品に加え、ニューヨークを拠点に単色の平面を構成した作品の制作を続ける桑山忠明(1932-)、鉄を素材とした彫刻作品によって空間や時間についての思索を行った若林奮(1936-2003)、ものを作り出すのではなく、ものと人と空間の関係自体に注目し、世界と直接に関わろうとした李禹煥(1936-)の作品などを展観します。

レンブラントや印象派からシュルレアリスムの作品、さらにはバーネット・ニューマンの《アンナの光》など欧米の傑作とともに、日本で生まれた同時代の表現を鑑賞することで、異なる文化から派生した美術の多様な森を実感していただければ幸いです。(美術館ホームページより)

「戦後日本美術」の出品作家:

瀧口修造、菅井汲、堀内正和、飯田善國、山口勝弘、オノサト・トシノブ、斎藤義重、 荒川修作、桑山忠明、高松次郎、李禹煥、若林奮、中西夏之、杉本博司