Distraction Series 4: Segue Series Reading at Double Happiness, May 19, 2001(2020年5月18日 公開)

『Distraction Series』第4号ではマドリン・ギンズ選集 The Saddest Thing is That I Have Had to Use Words: A Madeline Gins Reader が先月出版されたことを祝し、マドリン・ギンズの詩作や著書を彼女自身のリーディング=朗読を通してさらに多くの方々と共有したいと思います。マドリンの声に耳を傾けると、彼女の作品の味わいもさらに増して感じられることでしょう。PennSound がその機会をオンライン上で提供してくださっている事に私たちは深く感謝しています。

すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、PennSoundとは、多くのポエトリー・リーディングのアーカイブと新しいオーディオ・レコーディングを保存・制作するペンシルベニア大学のプロジェクトで、マドリンが一般に公開して行ったリーディングや講義の録音の多くがこのプロジェクト・ウェブサイトで提供されています。

本日はその中から特にニューヨークのチャイナタウンのバーDouble Happinessにおいてほぼちょうど19年前、2001年5月19日に行われたSegue Seriesと題されたリーディング・プログラムからのハイライトをお届けします。このリーディングを聴くと、マドリンがいかに真剣であると同時に遊びの心を常に併せ持つ才能の持ち主であったかがわかります。下記リンクからお聴きいただける詩のセレクションは、クレブスサイクル(Krebs Cycle)とそれに深く関連する詩のリーディングです。マドリンはこの試みを「生物化学者たちに可愛いものだなんて言わせたくない」と言い切り、その上でスパゲティを食べるプロセスを詩化させた作品をプログラム中そこここにちりばめます。時には笑いを誘い、またある時にはメランコリーに溢れたこれらのリーディングは、絶妙の塩梅で生物の生きる悦びが加味されています。

ぜひこれをきっかけにマドリン・ギンスの詩の世界を探検してみてください。

Yours in the reversible destiny mode,