いわき市立美術館名品展 アメリカ美術の力

2016-06-11〜2017-08-07
碧南市藤井達吉現代美術館

SKM_C224e16051816050_0001

SKM_C224e16051816050_0002

第二次世界大戦の戦勝国であるアメリカ合衆国は、国土が戦場になったフランスに代わり、戦後の美術界を牽引するようになりました。それには戦争やナチスドイツの政策が生んだ脅威から逃れてヨーロッパから亡命した芸術家・批評家・画商の存在も影響しています。1940年代後半から1950年代にかけて展開した抽象表現主義や、抽象表現主義への反動としての側面を持ち、大衆消費社会を直接反映させた芸術であるポップ・アート、概念が重要な役割を果たすコンセプチュアル・アートなど、アメリカで発展した美術が世界中に作用したのです。それは自由の国としての政治的・経済的・軍事的影響力を誇った20世紀アメリカの姿とも連動しているかのようです。けれども前衛的な制作を行う芸術家たちには、なかなか認められずに煩悶し闘うなかで自らの芸術を確立させていった者も少なくありません。彼らの作品はアメリカの光と影を色濃く反映させているともいえるのです。

この展覧会はいわき市立美術館の全面的なご協力によって実現しました。1984年に開館したいわき市立美術館は市民の活動が端緒となって建設された美術館です。また公立美術館としては最も早くに第二次世界大戦後の現代美術を収集方針とし、国内外の優れた作品をコレクションしていることで知られています。その稀有なコレクションから、ポップ・アートのアンディ・ウォーホル、ネオ・ダダのジャスパー・ジョーンズをはじめ、アメリカ美術を象徴する35点をご紹介します。これまで愛知県周辺では、アメリカ美術をまとめて鑑賞する機会がほとんどありませんでした。この展覧会で作品を生んだ芸術家たちの、ひいてはアメリカ美術の力の精髄を感じ取っていただければ幸いです。

(美術館ホームページより)