時と風景─未来をつなぐコレクション

2016-04-23〜2016-06-26
滋賀県立近代美術館

出品作品: 《ふち (Brink)》1971-72

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どのように「時」と向き合い、それをどんな「風景」として表現するのか。その方法は作家や作品によって様々です。古今東西を問わず、作家たちは炭坑のカナリアのようにするどく時代の空気に反応し、過去を見つめ、そして未来へとつながる表現の在り方を模索してきました。とりわけ、20世紀以降の美術作品において、時との接続方法や風景表現のあり方は多様な展開を見せます。とらえどころがなく、目で見る事のできない「時」は個々の作品として可視化され、見る者を深い哲学的な問いに導きます。そして眼の前にある「風景」は、それを写実的に捉えたものだけではなく、抽象的な造形言語や、目に見えない心の景色としても表象されます。こうした作品を見る私たちにとっても、「時と風景」は多くの人と共にいまここで共有しながら、同時にひとりひとりの中にだけ流れ存在し、個々の記憶や思い出とも深く結びついてゆくものではないでしょうか。

本展は滋賀県立近代美術館所蔵の現代美術作品を中心に、「時と風景」というテーマがそれぞれの作品の中にどのように結びついているのか、約80点の作品を通じてご覧いただくものです。

1984年にオープンして以来、30年を越えて活動を続ける当館は、今改めてコレクションの意義を見つめ直してゆく時期を迎えています。そうした中、本展が、今一度当館の魅力を感じていただく場となること、そしてそこで出会う時と風景が、またひとつ誰か/何かとの未来をつないでいくことを願います。

《見どころ》

クリフォード・スティル、アンリ・マチス、コンスタンティン・ブランクーシら欧米の作家や、福岡道雄、岡田修二といった滋賀県ゆかりの作家の作品等、当館が誇る名品たちを一挙にご紹介します。

これまで展示する機会が限られていた宮島達男《133651 Region》を約20年ぶりに展示するほか、ロバート・ラウシェンバーグの版画作品《ストーンド・ムーン》の中から当館所蔵の全11点と、当館所蔵の福岡道雄の彫刻作品全10点すべてをご紹介します。

(美術館ホームページより)