UNTITLED / 「無題」から 恋は語らず…

2016-04-23〜2016-07-18
セゾン現代美術館

出品作品: 《Gentle Friend》1985, 《意味の諸段階(Name This)- 意味のメカニズムより》1963〜88

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「UNTITLED」や「無題」は、作品のタイトルなのでしょうか? それともタイトル(題)がないという意味なのでしょうか? それは現代美術の本質的な問題でもあります。

具象的な作品の多くは、それが表す事象の名称がタイトルになっています。「裸婦」や「自画像」や「富士山」のようなものです。タイトルが示すものは作品の外部に存在していて、作品はその仮象なのです。

他方で外部の存在を再現しない抽象美術は、作品そのものがすべてです。タイトルが表す対象が作品の外にはありません。作品が表すものを尋ねられても、「そんなものはない。この作品があるのみだ」と答える代わりとして、「UNTITLED」や「無題」があるのでしょう。その意味では「UNTITLED」と「無題」は、最も純粋で、最も強固で、最も自立的な創造性の表明に違いありません。

本展では、「UNTITLED」と「無題」の作品にはじまり、最小限の文字や数字をタイトルとした作品、それには反するように積極的にタイトルを重視した作品までを展覧します。名付けられた「UNTITLED」とさまざまなタイトルを、作品の創造の一部としてお楽しみください。(展覧会チラシより)