ダイアローグ-対話するアート

2014-12-20〜2015-04-05
群馬県立館林美術館

E10-187006

芸術作品は、アーティストの孤独な制作作業から生み出されるもの、というイメージがないでしょうか?しかし、新たな創造は、しばしば人や物事の影響、偶然の出会いからもたらされ、時間や空間を超えて作品、作家どうしが共鳴しあうこともあります。 本展は、作家と作品の歴史上の関係や時空を超えた類縁性に注目し、「対話」をキーワードに当館のコレクションを見ていくものです。例えばイギリスの抽象画家ベン・ニコルソンは、晩年のスイス滞在中に版画制作に専念し、摺りを担った若きフランソワ・ラフランカを、自然と幾何学が融合した造形へと向かわせました。あるいは、自然の中で歩く行為を通して作品を制作しているリチャード・ロングと徒歩で到達できる地点から地表を撮影した松江泰治の写真、絶滅危惧種の動物をモチーフとしたアンディ・ウォーホルのシルクスクリーンと、地球上の生命を讃歌する永井一正のグラフィックポスターは、不思議な共鳴を響かせるでしょう。

本展ではさらに、コレクションを別の地平へ切り開く試みとして、群馬県高崎市のアーティスト・イン・レジデンス・スペース「パレ・デ・パリ」の協力のもと、レジデンス滞在中の若手フランス人作家が当館のコレクションと関わるインスタレーションを行います。「自然と人間の関わり」をテーマとする当館の作品と、風景のドローイングをベースとするモリーン・コロマールMaureen Colomar(1984~)のインスタレーションは、どのように呼応し、対話をするでしょうか。 目的や前提にとらわれないコミュニケーションの方法でもある「対話」は、アートにおいても、それを枠組から解放し、新たな輝きを与えるきっかけとなることでしょう。(美術館ホームページより)