「グループ『幻触』と石子順造」展

2014-02-01〜2014-03-23
静岡県立美術館

出品作品: 《作品》1965 (高松市美術館 蔵)

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飯田昭二、鈴木慶則、前田守一、丹羽勝次、小池一誠を中心にして、1966年に静岡で結成された美術家集団、グループ「幻触(げんしょく)」は、1956 年から64年まで清水で暮らし、東京に仕事場を構えた後も親交が続いた、美術評論家の石子順造(1928~1977)との関わりを通して、時代を先駆ける 作品を発表しました。

1968年に、石子順造と中原佑介が共同企画した「トリックス・アンド・ヴィジョン盗まれた眼」展では「見ることのあいまいさ」を問う作品を、また、 1969年に開催された「第9回現代日本美術展」では、木や石などの自然物に対する人工的な関わりを最小限にとどめた作品を発表し、のちに「もの派」と呼 ばれる作家たちの最初期と近接する傾向を示し、同時代の美術動向において存在感のある足跡を残しています。

石子順造との熱い議論や濃密な関わり、石子を介した中原佑介、針生一郎、高松次郎、李禹煥ら気鋭の評論家や作家らとの交流は、「幻触」のメンバーを、静 岡という一地域を超える活動へと導きました。こうした「幻触」の活動は、2000年以降に静岡でおこった再評価の動きをきっかけに、注目を集めるととも に、近年、美術に収まらない多様な文化領域を内包した石子順造の活動に対する再評価が進んでいます。

本展では、「幻触」の前身となる1950年代後半のグループ「白」の時代にさかのぼり、「幻触」が精力的に活動した1960年代後半から1970年代初 頭までを主軸に、代表的な作品を数多く紹介します。本展のために、現存しない作品についても一部再制作をし、作品の意味を改めて問いかけます。

それとともに、石子順造の世界観と交友関係を伝える、石子旧蔵の品々、美術作品、原稿、写真、音声などの資料および、「幻触」と同時代の美術の動向を特 徴づける、重要な作家の作品を展示します。並べて見ることを通して、時代の表現の中におけるグループ「幻触」の作品の意味や、同時代の美術に石子順造と 「幻触」が果たした役割について検証します。 (美術館ホームページより)